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ウィスット・ポンニミット

オダイッセイ / ODA Issei
1965年長崎出身。長崎大学在学中よりフリーのディレクターとして活動。卒業後は、CG技術・特殊造型などVFX全般への豊富な知識を活かし、ゲーム・CMなどの企画・演出、映画・TVドラマのVFXスーパーバイザーからタイトルバックの演出まで務める。 主な参加作品としては映画『舞妓Haaaan!!!』『クライマーズ・ハイ』『マイ・バック・ページ』『ワイルド7』など数々の作品を担当しており、VFX界のトップ・クリエイターとして注目されている。
2006年に『笑う大天使(ミカエル)』で劇場用長編映画監督としてデビューを飾り、2008年には『カンフーくん』が第58回ベルリン国際映画祭のジェネレーション部門に正式招待されている。

Q1. あなたにとってもっとも忘れがたい映像はなんですか?
A. まずは僕の人生の道程となった映像作品~映画『空の大怪獣ラドン』と『ニューヨーク1997』、それと僕のマイナスの面も含めすべてを認めてくれたアーティストの母との最期の時間です。

Q2. 忘れがたい映像について理由を教えて下さい
A. 幼稚園児だった僕に監督(特技監督?)になりたいと思わせてくれた映画『空の大怪獣ラドン』は、それまで圧倒的な力を示した怪獣のラドンが折り重なるように阿蘇山に落ちていくラスト・シーンが子供心に衝撃的で切なく、映像を見ることで涙を流した最初の作品になりました。
次は僕が中学生の時に映画監督になることを決心させた映画『ニューヨーク1997』ですが、冒頭CG風アニメーションと世紀末感を漂わせた“NOW”の文字、謎めいた主人公の造詣からトレント・レズナーばりに緊迫感のある音楽と絡み合った本編映像のすべてがとても魅力的で、僕にとってまさにバイブル的な作品でいまだに何度も見直している忘れがたい作品です。
そして、これまでの人生で“もっとも忘れがたい映像”となると、10年以上も乳ガンで闘病生活を続けたアーティストだった母の静かな笑顔と最期の表情でしょうか。それは華やかな笑顔や安らかな寝顔ではないですが、間違いなく今の僕を支えている大切なビジョン=映像です。(いまだ僕自身のなかで整理のついていない映像=時間でもあります)

Q3. あなたにとって『未だ見ぬ映像』とは何ですか?
A. 未だクランクインまでに至っていない次回作と、頭の中で上映され続けている更なる作品群。なかなか吐き出せずに時間だけが経っていますが、いろいろな監督の作品でビジュアル・エフェクトを担当する事で、表現者として爆発するようなエネルギーを日々蓄え続けています。

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