どこまでも映像的であるギリシア神話を舞台に、歌の起源としてのムーサとセイレーンの分裂、現代における関係性への呼びかけとしての「声」について、西洋美術史、現代思想家の岡田温司氏に執筆いただきました。

岡田温司プロフィール
1954年生。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。西洋美術史、現代思想。
著書=『マグダラのマリア──エロスとアガペーの聖女』(中央公論新社、2005)、『芸術(アルス)と生政治(ビオス)』(2006)、『処女懐胎──描かれた「奇跡」と「聖家族」』(中央公論新社、2007)、『フロイトのイタリア──旅・芸術・精神分析』(平凡社、2008)、『キリストの身体──血と肉と愛の傷』(中央公論新社、2009)など。
訳書=ジョルジョ・アガンベン『スタンツェ──西洋文化における言葉とイメージ』(筑摩書房、2008)、ヴィクトル・I・ストイキツァ『影の歴史』(西田兼と共訳、平凡社、2008)、ロベルト・エスポジト『近代政治の脱構築──共同体・免疫・生政治』(講談社、2009)など。