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大友良英

大友良英 / OTOMO Yoshihide
1959年生。ターンテーブル奏者、ギタリスト、作曲家、映画音楽家などとして世界中のアーティストとコラボレーションを行なう。また、「Ground-Zero」「Filament」「大友良英ニュー・ジャズ・クインテット(ONJQ)」「I.S.O.」などのバンドを結成し、ノイズ/インプロヴィゼーション/フリー・ジャズなどを演奏する。作品=『Null And Void』(1995、Ground-Zero)、『Filament 1』(1998、Filament)、『Flutter』(2000、ONJQ)など。著書=『MUSICS』(岩波書店、2008)など。
http://d.hatena.ne.jp/otomojamjam/
http://www.japanimprov.com/yotomo/

Q1. あなたにとってもっとも忘れがたい映像はなんですか?
A. 2つあります。
1)昭和30年代、白黒テレビのある我が家に近所の子供達が集まってきて見た「シャボン玉ホリデー」なんかの映像。
2)そのときの真空管テレビ(父の自作でした)のスイッチを切ったあとにいつまでもブラウン管に残っていた光の点。

Q2.  忘れがたい映像について理由を教えて下さい
A. 1)わたしは映像そのものよりも、その映像がどういうシチュエーションで見られるかのほうにより強い興味があります。映像にしろ音楽にしろ、個人で独占して見たり聴いたりするようなものにはあまり魅かれません。ある場の中に映像がどう機能するか。そう考えると昭和30年代の家庭の垣根を越えて、みなが1台のテレビをシェアしていた状況はノスタルジーということではなく、今でも非常に面白く思います。
2)子供だったわたしはこの光の点の中に、小さい植木等や黒柳徹子がいるのではないかといつも目を凝らしてみていました。実際に見えるものではなく、そこから何かを見ようとする力、あるいはそこから見えてくる何かに今でも興味があります。

Q3. あなたにとって「まだ見ぬ」映像とはなんですか?
A. やはり興味は、映像や音そのものではなく、映像なり音なりが、どういう場を作り、どういう関係性を生むかです。そっちの方向での可能性ならもっともっと見てみたい。そんなことを夢想しています。

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