2016 2.11 - 2.20

第8回目の総合テーマは、「動いている庭」。フランスの思想家・庭師であるジル・クレマンが見いだした庭のあり方から着想を得ました。彼は、人間中心に造形していく庭ではなく、植物が自然発生的につくりあげていく庭のあり方を提唱し実践してきました。
この「動いている庭」をコンセプトのもと集められた多様な作品を通して、第8回恵比寿映像祭は、視点を拡張し、視覚を嗅覚や聴覚に置き換え世界を認識することで、自然(=他者)の存在と視点を浮かび上がらせ、自然(=他者)とともにつくるオルタナティヴな世界像を模索しました。

2016:第8回恵比寿映像祭 「動いている庭」

2015 2.27 - 3.8

人工衛星からリアルタイムで地球の映像をみることが可能な現在――。一方、メディア・テクノロジーの浸透が、私たちを取り巻く環境に変化を促すなか、世界の全貌をとらえることは、ますます容易ではなくなっています。第7回恵比寿映像祭では、「惑星で会いましょう」というテーマのもと、映像をとおして、この複層化する世界に向き合い再発見する手掛かりを探ります。映像は、時空を超えた体験をもたらすもの。さまざまなアプローチで、「視点を変える」ことを試みながら、現在、そして未来、過去をもみつめ直します。未知の惑星を訪れるように、現前する世界を新たな視点で探検し直す契機とツールとしての映像、新たな観点をもたらすものとしてのアートの可能性を問い直し、世界にアクセスする今日的な方法を探します。

2015:第7回恵比寿映像祭 「惑星で会いましょう」

2014 2.7 - 2.23

映像が映し出す現代社会の多様性を見つめ、世界がグローバリゼーションの一途をたどるなかで見失われていったものや、その波に呑み込まれることなく守られてきたものを再考するとともに、グローバリゼーションがもたらした新たな遭遇、接触、交流によって生み出されたものや、それらが示唆する未来の可能性についての考察を試みました。

2014:第6回恵比寿映像祭 「トゥルー・カラーズ」

2013 2.8 - 2.24

記録メディアとしての映像の可能性や課題、表現形式としての「日記」のあり方といった各論を掘り下げるとともに、また、メディア技術や情報システムの変転によって、私的な表現空間がさまざまな形で浸食され、管理されてしまう現代にあって、「「私」が「歴史」になり、「公」が「日記」として読まれるような、揺らぎにも似た領域に、光をあててみました。

2013:第5回恵比寿映像祭 「パブリック⇄ダイアリー」

2012 2.10 - 2.26

映像で「何が」描き出されているかではなく、映像そのものが「いかに」作られているか――。主題や文学的なメッセージ性を問う前に、まず映像を成り立たせている技術や技能、道具や動力、流通の仕組みといった映像をめぐる即物的な側面に目を向け、同時に、映像の中でしかありえない空間・時間の認識や、映像が身体へ及ぼす作用といった、いわば映像ならではの特質を生かした表現を深く味わう手がかりを提示しました。

2012:第4回恵比寿映像祭 「映像のフィジカル」

2011 2.18 - 2.27

映像は、目覚めたまま見る夢[デイドリーム]。人が思いをめぐらすイマジネーション、メディアや機械が生み出すファンタジー、イメージに刻まれた歴史や記憶、映像が描き出す夢のありかたは一様ではありません。第3回恵比寿映像祭では、「デイドリーム ビリーバー!!」をテーマに、映像の力を問い直しました。

2011:第3回恵比寿映像祭 「デイドリームビリーバー!!」

2010 2.19 - 2.28

恵比寿映像祭立ち上げの理念でもある第1回の総合テーマ「オルタナティヴ・ヴィジョンズ」――映像とは何か?をめぐる問いと答えを、さまざまな振れ幅で選択肢を試しつつ、それぞれに探し求めていくこと――を、基本姿勢として引き継ぎながら、第2回恵比寿映像祭では、全体をひとつに紡ぐキーワードとして、「歌(うた)」を取り上げました。

2010:第2回恵比寿映像祭 「歌をさがして」

2009 2.20 - 3.01

2009年2月20日~2009年3月1日の10日間、東京都写真美術館全フロアを使って、第1回恵比寿映像祭を実施しました。総合テーマを「オルタナティヴ・ヴィジョンズ」と題し、恵比寿映像祭の基本姿勢を示すとともに、上映、ライヴ・イヴェントやトーク等といったさまざまなチャンネルを使って、多様な「映像」のありかたを楽しみながら探求していく場としました。

2009:第1回恵比寿映像祭 「オルタナティヴ・ヴィジョンズ」

2008.2.21 - 2.24, 2.28-3.01

2008年2月、東京都写真美術館の新たな試みとして、また、来るべき恵比寿映像祭のプレ・イヴェントとして、さまざまな角度から「映像」なるものの意味と可能性を考え、実験を楽しむ連続ライヴ・イヴェント「映像をめぐる7夜」を開催しました。地下1階展示室を会場に、7晩にわたり多彩なゲストによるレクチャーや上映、ライヴ、パフォーマンス、インスタレーションを日替わりで実施。日頃は静かな展示室が熱く揺れる7夜を通じて、現代における「映像」と未だ開拓されていないその豊かな可能性について、観客の皆様とともに楽しみながら探究する場となるよう企図しました。試験的な試みとして入場は無料としたこともあり、連日満員という盛況ぶりでした。

2008:映像をめぐる7夜 「SEVEN NIGHTS, SEVEN LIGHTS」
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