上映

ロバート・フランクの旅路: ドキュメンタリー「Leaving Home, Coming Home」

写真家、映画作家としてすでに伝説的存在であるロバート・フランク(1924年、チューリヒ生まれ)の人生と仕事についての、初めてのドキュメンタリー映画。撮影はニューヨークと、ノヴァスコシャ(カナダ)で行われた。ニューヨークはフランクが若き写真家として1947年に到着し、それから十年を経ずして革命的写真集『アメリカンズ』によって名声を勝ち得ることになる街であり、またブリーカー・ストリートにスタジオを今も持つ街。そしてノヴァスコシャは彼が2人目の妻ジューンと住む土地だ。アメリカを移動する旅と写真をめぐり、パリやロンドン、ウェールズで撮った作品も示しつつ、フランクが、作品やそれらの土地について、また、写真制作の方法について存分に語る。とりわけ写真集『ストーリーライン』の作品とその方法、フランクの考えが興味深い。彼の映画のフッテージもたっぷり引用される。監督デビュー作《プル・マイ・デイジー》(ジャック・ケルアックとの共作)や、《ミー・アンド・マイ・ブラザー》、ローリングストーンズとの共同作業であった《コックサッカー・ブルースCocksucker Blues》(未公開に終わった経緯が語られる)。フランクにとって大きな支えである妻のジューンとの時間は、愉快な場面でもある。そして、フランクの制作に大きな影響を与えることになった二人の子供の死についても語られることになる。(大久保賢一)

プログラマー

大久保賢一(映画評論家)

ジャンル

上映

場所

1F

作品図版/画像
《Leaving Home, Coming Home ロバート・フランクの肖像》
2005年/ヴィデオ(HDCAM)、カラー、サウンド/85分/イギリス(日本語字幕付)
監督:ジェラルド・フォックス

作家・プログラマープロフィール
大久保賢一(映画評論家)

プログラマー/大久保賢一(映画評論家)
1950年生まれ。大学在学中から映画の上映・制作活動を始める。海外映画祭でコンペティション審査員や国際批評家連盟賞の審査員をつとめ、ロッテルダム、ウィーンなどの映画祭の日本映画プログラミングに協力。著書に「荒野より」「映画:二極化する世界映画」ほか。コミュニティシネマ支援センター運営委員会メンバー。多摩美術大学、東京造形大学非常勤講師。

ジェラルド・フォックス

作家/ジェラルド・フォックス
1963年生まれ、ロンドン在住。TV作品《ジョニーと死者(Johnny and the Dead)》(1994年)や、《ギルバート・アンド・ジョージの基本The Fundamental Gilbert and George》(1997年)、ドキュメンタリーとフィクションを融合させて論議を呼んだ《これは出口ではない ブレット・イーストン・エリスThis is not an Exit?The Fictional World of Bret Easton Ellis》(2000年)、《シッティング・ダックスSitting Ducks》(2003年)などの作品で多くの賞を獲得している。現在、ビル・ヴィオラについてのドキュメンタリーやヴェニス・ビエンナーレで発表するための5画面のインスタレーションを制作中。南アフリカを舞台にした劇映画《Smacked》の制作も控える。

上映日時

2009年02月20日(金) 16:00~
2009年02月23日(月) 13:30~
2009年02月25日(水) 16:00~

上映情報

ゲスト・トーク:2009年2月20日(金)16:00~  ジェラルド・フォックス、大久保賢一

前のページに戻る