ジャン・パンルヴェ(1902-1989)
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フランスを代表する科学映画作家。学生時代には生物学を志すと同時に前衛アーティストたちと交流、1927年に初作品『トゲウオの卵』を発表する。その主なテーマは海の生物であり、真摯な探究心とユーモアをベースに生涯で200本以上の作品を送り出した。代表作に『タツノオトシゴ』(1934)、『吸血コウモリ』(1945)、『ウニ』(1952)がある。父のポールは数学者・政治家で、フランスの首相にもなった。
科学映画の愉しみ
映画の世界には、産業としての中核をなすフィクション映画の陰にノンフィクション映画というジャンルがあり、さらにその支流として、ささやかだが伝統のある科学映画という分野が存在する。マイブリッジの連続写真の例を出すまでもなく、映画はその原初期から科学と強い結びつきを持っており、また、時代ごとの研究の進展に応じて科学映画は新しい知見を画面に収めていった。だが、現代の人間にとって過去の科学映画はどのような意味を持つのだろうか? 時代が変わると、もはや価値の見出せない無用の長物になるのだろうか? このプログラムはそのような実用主義の行き過ぎに抵抗する。時代の“眼”は、しばしば時代の“美”を捉えているものである。ここに選ばれた4作品は、高校の理科でいえば「物理・化学・生物」の3分野を扱ったことになり、また国籍としても3か国にまたがることになる。だが、いずれも自然や人工物がその意図を超えて私たちの前に提示してしまう“美”という問題に無自覚ではいられなかった人間の仕事である。もとより科学は撮られるために存在するのではない。にもかかわらず、これまで脈々とキャメラの介在を要求してきたのは、人間以上に科学の側ではなかったか。そう考えさせてくれるほど、優れた科学映画は現代の人間にも愉しみを与えてくれている。
ジャンル
上映
場所
1F
上映日時
2009年02月21日(土) 13:30~
2009年02月25日(水) 19:00~